(我々の生きている現代社会は)
より多くの人間の最大幸福が実現できる行為が正しくて(功利主義)
法律の範囲内で自分の能力に応じて自由に競争しながら金儲けが出来る(自由主義)。
そして最終的な決定原理は多数決(民主主義)による社会。
このような社会倫理を基盤とした自己決定権を功利主義の生みの親であるジョン・スチュワート・ミルの自由論の考えを借りれば
(1)判断力のある大人ななら
(2)自分の生命・身体・財産など自分のものに関して
(3)他人に危害を及ぼさない限り
(4)たとえその決定が当人にとって不利益なことであっても
(5)自己決定の権限を持つということになる。
「
スポーツ倫理を問う」友添 秀則 近藤 良享 大修館書店
競泳自由形の天才少女だったカテリーネ・メンシュナーは、12才から24才まで、コーチからビタミン剤とミネラル剤だといわれて、毎日40錠ものタンパク同化ステロイドと男性ホルモン製剤を飲まされていた。11年後の今も副作用に苦しんでいる。流産を7回。筋肉が発達しすぎたため脊椎を痛め、コルセットがないと背中が曲がってしまう。 背泳ぎの選手だったマルティーナ・ゴットシャルトは、脚に先天的な重い障害を持った子供を産んだ。彼女はコーチがタンパク同化ステロイドを渡しながらいったことをはっきり覚えていた「黄色がビタミンB、茶色がビタミンE」と。 またアンドレウス(旧姓ハイディ)クリーガーは1986年の欧州選手権の女子砲丸投げで優勝した名選手だが、タンパク同化ステロイドの投与が誘因となって、性同一性障害に苦しむようになり、数年前に男性への性転換手術を受けた。
「
ドーピング―スポーツの底辺に広がる恐怖の薬物」 高橋正人 立木幸敏 河野俊彦 講談社ブルーバックス」